症例研究会160614
脳梗塞による右片麻痺患者に対する寝返り動作・歩行動作のアプローチ
平成28年6月
- 症例
- 88歳 男性 無職
- 主訴
- 右片麻痺 歩行困難
- 病名・症状
- 脳梗塞 急性気管支炎 前立腺肥大
- 目標
- ①寝返り動作
体幹、骨盤の回旋動作不十分。筋緊張亢進により右下肢が伸展してしまい右足部でベッド面を蹴る動作が困難。右肩関節・肘関節の筋緊張亢進により、肩関節伸展位、肘関節屈曲してしまい、右手での補助具使用が困難。
→体幹の回旋動作、ベッド面の蹴りだし動作獲得の為ローテーション、ブリッジを行う。
肩関節・肘関節の筋緊張抑制の為端座位で両手を組み、肩関節前方挙上を行う。
②歩行動作
体幹軽度前傾、右肩関節伸展位、右肘関節屈曲位。右股関節屈曲位、右膝関節をロッキングと膝折れがみられる。足関節の背屈制限、バランス能力の低下により右立脚期が短い。
→右足関節の背屈制限の改善を図り、右足部の可動性を高め、立脚期の延長を図る。
ロッキングを抑制する為にスクワットを行う。
麻痺側の股関節・膝関節の屈曲伸展動作を促す為、股関節・膝関節屈曲、股関節・膝関 節伸展訓練を行う。
左右の立脚期を延長させる為に立位での左右荷重訓練、下肢の筋力増強訓練を行う。
結果・考察
①体幹の回旋動作は可能となったが、右下肢の筋緊張の抑制が出来ておらず、膝関節伸展
位のためベッドを蹴ることが困難。
②膝折れの回数は減っており、立脚期も延長されているが、補助具を使用しなければ歩行
は困難。右足関節の可動域は変化が見られず、背屈制限があり、左足部よりも前に右足 部をついて歩行している。 -