新人症例発表160524

2例の症例

平成28年5月24日

症例
78歳 女性 無職
主訴
歩行困難   
病名・症状
顕微鏡的多発血管炎 
目標
①末梢神経障害による右足関節背屈制限のため、歩行時に右股関節を大きく屈曲させ下肢の降り出し動作を行い、つま先から足底接地する。
→①仰臥位で右足関節促通運動、右足関節関節可動域訓練を行い、右足関節背屈制限の改善と随意性の向上を図り、歩行時の右下肢の振り出し動作でかかとから足底接地できるようになる。

②足底部の感覚障害により両下肢の荷重が不十分なため立脚期短く歩幅小さい。
→②感覚入力を目的とした足部の軽擦マッサージ・立位バランス訓練・
片足立ち、側臥位での下肢の振り出し訓練を行い立脚期・歩幅の延長を図る。

結果・考察
①関節可動域右足関節背屈−5°→ 15°
右足関節背屈MMT0 → MMT2
に改善され 歩行時の右下肢の振り出し動作でかかとから足底接地が可能となった。

②立脚期が延長され歩幅が大きくなった。

症例
92歳 女性 無職
主訴
ADL低下 右片麻痺 右上下肢痛   
病名・症状
脳出血 
目標
①寝返り動作困難
・仰臥位で右股関節屈曲動作20°程度、屈曲保持不可。
・仰臥位から側臥位への体幹の回旋動作が乏しい(左手で柵使用し1/4)
→①仰臥位で右下肢屈曲促通訓練、骨盤回旋促通訓練を行い 寝返り動作能力の向上を図る

②足こぎによる車椅子自走困難
右股関節屈曲・右膝伸展動作が乏しく足こぎ自走で前進することができない
→②右下肢屈曲・伸展促通訓練を行い車椅子自走能力の向上を図る。

結果・考察

①仰臥位で股関節屈曲90°保持が可能になり、体幹回旋動作も向上し
左手で柵を使用し自立で寝返り動作が可能になった。

②右股関節屈曲・右膝伸展動作が可能になり、左手のハンドリム操作と
両下肢の足こぎ動作でベッドから居室の出入口まで自走が可能となった。

新人Tさんの感想

促通訓練や改善プログラムにとらわれ過ぎず、患者様、ご家族が何に困り何を希望されているのかを常に意識して、目的を考えながら
施術を行っていかなくはいけないと改めて感じました。
御指導いただいた所長、部長、主任、先輩方、症例発表に参加していただいた先生方ありがとうございました。

 

主任の感想

今回は2例の症例発表で、①末梢神経障害(顕微鏡的多発血管炎)による歩行困難例と②中枢神経障害(脳出血・片麻痺)によるADL困難例でした。基本である問題点の抽出、その改善プログラムの立案、実行が出来ていたのでよかったと思います。ただし、患者家族様の満足度は痛みの軽減やADLやIADLに直結した成果だと思いますので、麻痺側の促通施術も一つですが、残存能力(動作に対する非麻痺側の活用や、重心移動)の向上や福祉用具の活用(柵やベッド高)も考慮した施術が必要です。基本は出来ているので今後はそれを考慮すれば更なる上澄みが期待できる症例発表でした。


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