新人症例研究会 160400

脊髄小脳変性症に対する筋緊張の抑制・独立での立ち上がり動作・歩行動作の改善を図った。

平成28年4月

症例
77歳 女性 無職
主訴
歩行困難   
病名・症状
脊髄小脳変性症 
目標
・筋緊張の抑制
←大腿四頭筋、股関節内転筋群のストレッチ
・独立での立ち上がり動作の改善
←端座位での前方荷重訓練を行う。
・歩行動作の改善を図った。
←体幹回旋訓練を行う。
股関節屈曲内転外旋・膝関節屈曲・足関節伸展、股関節外転・外旋、膝関節伸展パターンの促通を行い正常な振り出し動作を獲得する。
立脚期の延長を図る為片足立ち訓練を行う。
右足部の尖足を改善する為、下腿前面をタッピングしながら背屈動作を行う。
結果・考察

筋緊張は抑制を図るが、再び動作を行うと出現する。
立ち上がり動作は座面を押すようにして独立で可能。
歩行は補助具使用で行えているが、右尖足の改善はみられない。

 

右片麻痺患者に移乗動作・トイレ時のズボンの上げ下げ動作・麻痺側で補助具を把持できるようになる為のアプローチを行った。

平成28年4月

症例
79歳 男性 無職
主訴
右片麻痺 軽度構音障害 下腿浮腫 歩行困難   
病名・症状
左視床出血 
目標
・移乗動作の維持向上
←立位バランス訓練・片足立ち訓練
・トイレ時のズボンの上げ下げ動作の維持
←スクワット訓練
・麻痺側で補助具を把持できるよになる。
←手関節背屈訓練・肩関節屈曲訓練・指の掌握・対立動作訓練

結果・考察

移乗動作は補助具使用で可能。
トイレ動作はズボンの上げ下げは介助が必要。
非麻痺側で麻痺側を挙上させて、補助具把持させる。

 

新人Iさんの感想

新人症例発表は自分の施術を他の先生方に見て頂き、普段は一人では気付けないようなことに気づく事ができました。問題点(どんな事に困っているか、またそれは何故なのか)の抽出、施術内容、日常生活の環境や補助具の提案などです。
今回の研究会で他の先生方の意見を聞き、客観的な視点で自分の施術内容や利用者様の動作分析、問題点が考察できる貴重な時間になりました。頂いた意見を参考に、今まで行っていた施術内容をより充実させて利用者様に提供出来ると思います。
また、後輩にあたる先生方からの疑問点に対して答えることにより、自分が理解している事柄を伝える能力も鍛えられたかと思います。こういった研究会があることで治療家としての基礎を学ぶことができますし、気持ちも引き締まり、勉強意欲も高まります。今後もよりよい施術が出来るよう、意欲的に取り組んで行きたいです。

 

主任の感想

今回は2つの症例を発表してもらいました。
1人目は脊髄小脳変性症の患者様でしたが、動作分析はできているのにその問題点を施術プログラムに反映しきれていないところが少しありました。この機会に、今後のより良い施術プログラムを検討することができました。
2人目は右片麻痺の患者様でしたが、トイレでのズボン上げ下げ動作困難に対して、適切なプログラムを組む事ができていました。
今後は常に問題点を抽出する為の評価と施術プログラムの作成を行って下さい。


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